Snoop Lion in Queens

  • 2013/04/25(木) 00:01:22

 Snoop Lion 『Reincarnated』(邦題:スヌープ・ドッグ:ロード・トゥ・ライオン)が発売されました。日本盤のCDに、6000字を越えるライナーノーツを書いたので、興味のある人は読んでもらえると嬉しいです。

 あと、BounceとFloor.Netにインタヴューを書き分け、Woofin'のコラムでもトップニュース扱いにしました。
 
 (同日に出たT.O.K.の『4Ever』は、ライナー代わりのインタビューが入っています。こちらも、よろしくお願いします)

 こちらのリリース・デーに、スヌープさんはkeep it realな感じで、クィーンズのVPレコーズで記者会見とサイン会を行いました。

 記者会見には、NYの最強ローカル局、NY-1も来ました。

 
こちらがその様子です。
 
 「スヌープ・ライオンはギミックじゃないか」とか、

 「そんなに簡単にラスタになれるのか」

 という批判にくり返し晒されているスヌープさん、

 「マーリー・ファミリーが受け入れてくれたからいいんだ。それに、これはだれのためでもなく、自分のための旅だし」

 とバシッと言い返しています。3月の取材でも同じことを言っていたなぁ。

 ただし、ポジティヴ・ヴァイヴを全方位的に広げるために、様々なプロジェクトに取り組んでもいます。 

 “No Guns Allowed” Initiative : いま、全米で問題になっている銃規制について、「規制すべし」という態度のもと、若い有権者に呼びかけたり、MTVと組んでその動きをサポートするリストバンドを作ったりしています。

 Mind Garden Initiative: 「子供たちに新鮮な野菜と果物を」をモットーに、アメリカの貧しい地域やジャマイカに住む子供たちに食べ物を届けるプログラム。お酒の会社と、ジンジャーエールの会社がついています。これで長期的にジャマイカの子供たちに食べ物が届いたら、本当にすばらしいです。

 記者会見、サイン会、そしてマンハッタンのクラブでのリリース・パーティーをはしごして、つくづく思ったのは、スヌープが本物のアイコンであること。知名度が違う。

  サイン会を始める直前。
     
 
 左から、VPのP、ミス・パット、NY-1のレポーターさん、今回の敢闘賞、パブリシストのティファニー。レポーターさんは最初、気づかなくて「あれ?知り合い? どっかのBBQで会ったとか?」って思っていたら、テレビで見たことがあっただけの話でしたw 本人も「それよく言われるわー」って笑っていました。
      

 
 ラジオ局、Irie Jam Radioも生中継。
      

 
 外に出たら長蛇の列。その中にMobb Deepのプロディジーを発見。スヌープにサクッと会いに来たみたい。さすがにみんな気がついて、すぐに入っていました。こういうカッコつけない感じ、私は逆にカッコいいな、と思いました。

 アルバムの話をしましょう。
 
 これだけ話題になって、大物ゲストがたくさん入っていたら、失敗はしないと思うんですね、フツーに。フェデレーション・サウンドのマックスと話したときも、「スヌープのファンが買うかどうか、って話で、レゲエ・ファンがどうのってことでもないと思う」と、クールだけど、的を射た意見を言っていました。

 でも、私はレゲエが好きな人がどう取るか、気になってしまうのです。

 
こちら、ビルボードに寄せられたパトリシア・マスキーノの曲解説(通常盤の12曲分です)。彼女はVibe/Complexのロブ・ケナーと並んで、USのレゲエ評論家の第一人者。イタリア系アメリカ人で上品な人だけど、必要とあればキツいことも書くので、信用しています。

 ここで、「ポップ・レゲエ」という言葉を使っていて、「ああ」と思いました。たしかに、ポップ寄りのレゲエかもしれません(私は、愛情を込めて「ヤンキー・レゲエ」と書きました)。
  
 ただし、マーケットがメインストリーム=ポップ、ということでもないです。ジャマイカのレゲエにも「これ、歌謡曲だよね?」って思う曲は、ある。例を挙げると、アイ・ウェインの“Can't Satisfy Her”は、オケが歌謡曲調なら、内容もワイドショーです(流行っている当時から、どうにも苦手な曲でした)。

 ポップ=悪い、ということでもない。スヌープ・ライオンに関していえば、なにしろ音がいいので、それだけで気持ちいい。やっと春らしくなってきた街を歩くとき、ちょうどいいBMGになっています。まぁ、やっぱり好みは、スレンテンを敷いたオケにミスター・ヴェガスをフィーチャーした“Fruit Juice”や、「さっすがぁ、Super Dups!」(ブラック・チャイニーの人ですね)な“Smoke The Weed”あたりの、ストレートなレゲエになりますが。

 Snoop Lion in NYCに話を戻すと、Meat Packing Districtにあるクラブ、1OAKでのリリパもでDJスヌーパデリックとして回していました。なんか大騒ぎになっていたので、彼がブースに入ってからは長居せずに退散しましたが、遊び心たっぷりでいいですね。本人が楽しんでいる様子が伝わってくるのが、今回のプロジェクトの一番、いいところかも。

 ここにたどり着くまでの半生と、ジャマイカでの旅が交差する映画も面白いですよ。